海外FXの確定申告に関して解説
今、世間は確定申告の時期ですね。
海外FXを主戦場にしているトレーダーも一定の利益を出したら、税務署に確定申告をしなければなりません。
この記事では、確定申告に関して詳しく説明します。
まずは、ポイントをまとめてみましょう。
- 給与所得者(サラリーマンやアルバイト)は年間20万円以上、非給与所得者(自営業、専業主婦、ニート)は年間38万円以上の利益が発生した場合に確定申告が必要。
- 海外FXの税金の種類(科目)は総合課税の雑所得になる。
- 海外FXの税率は累進課税となっており15%~55%。(住民税10%含む)
- 国内FXと海外FXの損益合算は不可。
- 海外FXの損失繰り越しは不可。国内FXは3年間繰り越し可能。
ちゃんと確定申告をしておかないと、後で面倒な事になってしまうので気をつけましょう。
脱税は必ずバレますよ。
Contents
確定申告をする必要があるトレーダー
以下の条件に当てはまる方は確定申告の必要があります。
- 雇われている人で、海外FXの利益が年間20万円以上の場合(サラリーマンやアルバイトなど)
- 雇われていない人で、海外FXの利益が年間38万円以上の場合(自営業や専業主婦など)
課税対象になるのは出金時ではなく、利益が出た(利確した)時点になるので注意しましょう。
サラリーマンの方で、会社に利益が出ている事をバレたくない方は、確定申告書の記入欄にて「普通徴収」を選択すれば大丈夫です。
海外FXで発生した利益は雑所得に分類され、累進課税方式となっています。
以下、海外FXの利益に対して「課税される所得金額」と「所得税+住民税」です。
課税される所得金額 | 所得税+住民税 |
〜195万円以下 | 5% +10% |
195万円超〜330万円以下 | 10% +10% |
330万円超〜695万円以下 | 20% +10% |
695万円超〜900万円以下 | 23% +10% |
900万円超〜1800万円以下 | 33% +10% |
1800万円超〜4000万円以下 | 40% +10% |
4000万円超〜 | 45% +10% |
海外FXで4000万円以上の利益が発生すると合計55%もの税金がかかるんですね。
億トレーダーは、毎年ものすごい税金を払っている事が分かります。
ちなみに年収400万円の方が海外FXトレードで年間300万年の利益を発生させたとしましょう。
勘違いされる方が多いのですが、上記表にある「695万円超〜900万円以下、23% +10%」を見て、合計700万(年収400万、海外FX収益300万)の33%でそのまま計算する訳ではありません。
正しい計算方法ですが、
- ~195万円 195万円×15%=29万2500円
- 195万円~330万円 135万円×20%=27万円
- 330万円~695万円 365万円×30%=109.5万円
- 695万円~700万円 5万円×33%=1万6500円
合計で167万4千円という計算になります。
段階的に計算していくんですね。
ちなみに海外FXの税金は、今回の例で言うと7分の3に当たるので71万7428円になるというわけです。
確定申告で申請する経費に関して
確定申告する際に、利益からFXで利益を上げるために使った金額を経費として差し引いて、その分税金を安くする事ができます。
主に以下のようなものがあります。
- パソコンの本体代
- スマホの本体代
- スマホ、パソコンの通信費
- FXの参考書代
- FXのセミナー代
- FXのセミナー参加費とセミナー会場までの交通費
これらのレシートや領収書などは、しっかりと保管しておきましょう。
控除に関して
主な控除としては以下のものが挙げられます。
- 基礎控除(誰でも38万円) ※基礎控除に関しては、2020年分から所得に応じて0円~48万円に変更となります。
- 社会保険料控除(国民健康保険料や社会保険料)
- 配偶者控除、配偶者特別控除(年齢や収入によって1万円~48万円)
- 扶養控除(1人あたり38万円~63万円)
- 生命保険料控除(上限12万円)
- 地震保険料控除(上限5万円)
- 医療費控除(その年に支払った医療費が10万円を超えた分で上限200万円)
これらの控除があると税金もかなり変わってくるので、しっかりと確認しておきましょう。
海外FXは損益通算不可
国内FXでは3年間の損益通算ができるというメリットがあります。
しかし、海外FXでは損益通算不可のため、その年その年で税金を納めるという事になります。
例えば、国内FXの場合だと前の年に100万円損失額が発生し、次の年に50万円の利益が発生すると、合計してマイナス50万円の損失となるため、課税対象にはなりません。
海外FXはというと、損益通算(繰越控除)ができないため、前の年に100万円損失が発生していても、次の年に50万円の利益が発生していたら課税対象となるので、国内FXと比べて不利になります。
年間利益420万円以下の場合は、海外FXの方が税金が安い
損益通算という点では国内FXにメリットがあります。
ただ海外FXにもメリットがあり、420万円以下の利益であれば海外FXの方が納める税金を安くなります。
注意点として、あくまで「必要経費」を計算していない場合の利益です。
例えば、500万円の利益があった場合だと、80万円以上の必要経費があれば420万円以下の利益となるので、海外FXの方が税金は安くなるというわけです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最初は難しいかもしれませんが、慣れてしまえばどうという事はありません。
FXトレーダーで利益をあげている人は、避けては通れない道なので、しっかりと確定申告の準備をしておきましょう。